パワハラやうつ病で退職した時の雇用保険や健康保険、傷病手当金の扱い(労働者向け記事)

労働者の方から多くいただくご質問を下記に纏めました。

Q   職場での嫌がらせが酷く、やむをえず退職しました。退職後、抑うつ状態との診断が出ました。雇用保険の取り扱いはどのようになりますか?

A 職場での嫌がらせ(パワハラ・セクハラ)等で退職した方は、特定受給資格者(会社の事情によるやむ得ない自己都合退職者)となり、会社都合と同じ扱いとなります

具体的には
・所定給付日数が自己都合による退職よりも多くなります。
・給付制限期間が無く、受給資格決定を受けてから待期期間7日間過ぎた後で直ぐ基本手当の支給が受けられます。
・国民健康保険料の軽減措置が受けられます。
ただし、職場での嫌がらせ(パワハラ・セクハラ)等で退職することを証明する必要があるので(例えば同僚の証言等)、ハードルが高いとも言えます。
退職前に医師にかかり、病気の為やむ得なく退職した方は特定理由離職者(やむ得ない事情による自己都合退職者)になります。給付制限期間が無く直ぐ基本手当が支給されることや国民健康保険料の軽減措置が受けられることは特定受給資格者と同じですが、所定給付日数は自己都合退職者と同じく優遇措置はありません。
職場での嫌がらせ(パワハラ・セクハラ)等で退職することを証明も出来ず、退職前に医師の受診も受けていないときは、退職せざる得ない事情が不明なため単純な自己都合で処理されることとなります。退職する前の事前準備が重要と言えます。

Q   資格喪失後の継続給付条件について質問です。傷病手当金の支給条件に「連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと」とありますが、土日祝日といった「公休日のみの3日間」だけであっても「連続する3日間」となるのでしょうか?会社を休めず困っています。なお退職日は有給休暇を使い、出勤しないようにします。

A 連続して3日間の待期期間には土日祝日等の会社の所定休日も含みます。よって、上記事例の3連休のみ待機期間を満たした場合であっても、4日目も労務不能により仕事に就けなかった状態であれば資格喪失後の傷病手当金は支給されます。(4日目が年次有給休暇を使用した場合や会社の所定休日であっても問題にはなりません)また、上記にも記載がありますが退職日に出勤した場合、退職日に傷病手当金が貰える状態での退職とならないため、資格喪失後の給付が受けられません。ご注意下さい。

Q 健康保険の傷病手当金を受給中に、無断で以前の職種と異なるバイトをすると給付停止になりますか?医師の許可を得れば大丈夫ですか?

A    傷病手当金については、病気で療養する前の職務を行うことが出来るかどうか、(労務不能により行うことが出来ないのか)が支給の要件となります。よって、軽い副業(バイト)や内職、臨時収入を得る活動をしても傷病手当金の支給には影響しないと考えられます。ただし、在職中の方については、職場の就業規則等で副業・内職の禁止が決まっている場合はそれによる懲戒処分を受ける可能性はあります。
医師の許可を得る必要は微妙なところです。医師が静養療養の指示を出しており、副業内職も好ましく無いとされている場合にバイトを行い症状を悪化させた場合は、医師の療養指示違反として傷病手当金が不支給となる場合もあります。事前に医師の許可を取るのが良いと思われますが、副業の許可を求めながら労務不能と医師に証明依頼することとなります。医師とよく相談した方が良いと考えられます。