労働基準監督官の活動、調査について(2)

労働基準監督官の活動、調査について(2)

■当日の調査の流れ

当日の所要時間は、調査目的や企業規模にもよりますが、2時間から3時間程度で終了することが多いです。出席者は資料の内容を説明できる経営者や人事担当者が望ましいでしょう。事案によっては顧問や関与されている社会保険労務士の方が同席した方が良いかと思います。

 

■実際の調査内容

各種の資料を見ながら労働基準法等違反が無いか確認して行くこととなります。例えば

①就業規則を作成しているか、過半数代表は適正に選出されているか、又、労働者に周知しているか。

②就業規則が正しく運用されているか、実態にあっているか。

②労働基準法に定められた労働条件について書面で通知しているか。

③労働基準法等に基づく各種届出を行っているか

④労働基準法で定められた各種帳簿(出勤簿、賃金台帳、労働者名簿)等は作成されているか、また、事業場に備え付けられているか

⑤正しく割増賃金は支払われているか

⑥労働基準法違反が前提のシフト管理がなされていないか

⑦労働安全衛生法に基づく健康診断は実施されているか

⑧労働安全衛生法で定められている人数(50名以上)の場合、衛生管理者や産業医が選任されているか、衛生委員会(業種によっては安全委員会)が組織されているか

があげられます。

 

■労働基準監督官の調査で労働基準法等違反が見つかったときは

調査の結果、労働基準法等違反が見つかった際は、会社には是正勧告書が交付されます。法違反とは言えないまでも改善した方が良い事項がある場合は指導票が渡されます。是正勧告書には是正期日が記載されていて、その期日までに法違反を是正することを求められます。割増賃金の未払いが見つかった場合は、遡及して支払いを求められます。

 

■調査を受けやすい企業

下記のような企業が調査を受けやすいと言われています。

・36協定の特別条項の協定時間が長い企業。

・36協定や裁量労働制の協定等、毎年労働基準監督署に届出が必要な物が届出をされてない企業。

・労働基準法等の法改正があったのに、就業規則の変更届出が長期間されていない企業

・各労働局の行政運営方針にて最重点取り組みとされている業種

等があげられます。

原則として調査される企業として

・労働基準法等の法違反の申告が労働者よりなされた企業

となります。

 

■自主点検表とは、どのようなものなのか?

各労働基準監督署では長時間労働や安全衛生に関する自主的な取り組みや促すことや、その状況を把握するため、「長時間労働抑制の為の自主点検表」や「安全衛生管理自主点検表」等の自主点検表を送付して提出を促しています。

この自主点検表にて改善が必要とされた事項については、法違反の部分となりますので改善や是正に関しての取り組みが必要となります。

この提出については、労働基準監督署から督促を受けますがあくまでも協力依頼との取扱いになりますので、法的な回答義務はありません。ただし、各種臨検監督での法違反の指摘事項と重なりますので、放置は禁物と言えます。現在、36協定の未届事業所や確認作業等が、労働基準監督署以外の外部団体よって行われています。こちらの外部委託団体から調査票が届くと各種の営業書類と考え放置すること企業もあると聞いております。当然、外部委託団体による調査であっても未提出の場合は労働局や労働基準監督署に報告されますので、忘れずに提出しましょう。

 

■ まとめ

労働基準監督官の調査を受けると不安になりますが、法違反を是正し正しい人事労務管理を身に着けるチャンスとも言えます。働き方改革協会の労務監査を事前に受けるのも正しい労働法の知識を身に着けるチャンスとなります。労働基準監督官の調査を恐れないホワイト企業を目指して行きましょう!